今回ご紹介させて頂きますのは、日本だけでなく世界でも活躍されている、左官職人・久住有生(くすみ なおき)さん。『情熱大陸』や『ソロモン流』等、様々なメディアでご紹介されており、既にご存知の方もいらっしゃるかと思います。
伝統的に日本の家屋・生活空間にあった「土壁」。
しかし、現代の家屋では新たに用いることも、修復されることも少なくなりつつあります。左官職人・久住有生さんは、伝統的な技術をふまえながら、土壁の現代の“かたち”を追求してこられました。
「古事記」に伝わる天の神々の居まします処「高天原」にその名を頂いた、夢泉景別荘 天原。『国生みの神話』で余生を淡路でゆっくりと過ごされたという伊弉諾尊のように、お客様にも心から落ち着ける場所を…。
豪華な装飾ではなく、淡路の土を使い自然の素材で温もりのある雰囲気へと、左官職人・久住有生さんにガーデンラウンジの「土壁」を手掛けて頂きました。
屋内に入ると、ざっくりとした表情の土壁から、天井までの高さに積み固められた「版築」の壁がございます。ガーデンラウンジの「土壁・版築」には淡路の土を使い、大地が長い年月をかけて積層し、地層が出来上がったかのような仕上がりになっております。中庭のヒールガーデンから優しい風が通る、ここガーデンラウンジでは、エスプレッソマシーンやティーサービスの他、食後のディジェスティフサービス、インターネット環境やライブラリーなど、充実したサービスをそなえた空間です。2008年オープンから一日一日を重ね、少しずつ味わいを増した「土壁」へと成長しております。心地良い音・香り・そして光に包まれて、自由気ままにあなたならではの休日をお過ごし頂ければと思います。
久住有生さん
1972年 兵庫県淡路島三代続く左官の家に生まれる。
父・久住章に3歳で鏝(こて)を持たされ、遊び道具になった。
バルセロナで建築家アントニア・ガウディ(1852-1926)の聖堂に魅せられ「どんなにすばらしい建物でも、壁の仕上げで趣が変わる」という思いを抱き、父や祖父と同じ職人の道を歩む決意をする。そして父に弟子入り。
18歳で親元を離れさまざま親方の許で左官を学び23歳で独立。ドイツ・フランス・京都などで技を磨き歴史的建造物(金閣寺・桂離宮等)の修復の仕事に携わる。
伝統的な技術を礎とし、オリジナルの技術をつくり出していく職人技に建築家たちから多くの信頼を集め、壁を塗ってほしいという依頼は後を絶たない。現在、活躍の舞台はフランス、アメリカ、イギリスと名声は世界に響きわたる。
「左官株式会社 左官職人:久住有生」
http://www.kusuminaoki.com/
---作品と出会う。
左官職人・久住有生さんが手掛けた「土壁」を淡路島でご覧頂ける施設をご紹介いたします。